名古屋市長選挙は4月9日告示、4月23日投票で闘われます。この選挙は私たち市立大学教職員にも大きな影響がある選挙のため、改めて今回の選挙はどういう意味があるか、どのような態度を取るかを考えたいと思います。
現市長は、住民税減税、地域委員会創設、議員報酬半減など目立つ政策をかかげ、選挙の売りとしてきましたが、これらの政策で市民の暮らしが豊かになり、名古屋市政が発展したでしょうか。住民税減税では(宣伝がしやすい)定率に固執し、結果として大半の減税分を大企業と高所得者に分配しただけに終わっています。議員報酬削減では、報酬自体の議論は大いにすれば良いのですが、実際には「特権階級」というレッテル貼りと選挙での悪役として活用されただけに終わっています。
最近でも興味の無い行政上の施策は市の担当部局に丸投げし、名古屋城天守閣の木造再建など、目立つ施策ばかりを追っている始末です。
公務員・公的労働者にとってどうだったでしょうか。2009年に市長就任して以降しばらくは、人勧マイナス~ゼロ勧告であり、市長として何のコメントすらありませんでした。しかし、賃上げ勧告が出されるようになると、公務員の給料は高すぎるという持論の下、賃上げを拒否・妨害してきました。この拒否・妨害は、「人事委員会勧告」制度など労働基本権剥奪の代償的措置であるにもかかわらず、これを拒否・妨害すること自体、自治体の首長としての資質を疑うものです。更に悪いことに議会攻撃同様で、賃金水準そのものよりも、公務員・公的労働者を市民と分断させこれを政争の道具とされています。
本来市政運営は、多様な意見を汲み入れ、摺り合わせ、着地点を見つけるという、地道な作業が必要です。しかし現市長はこれを無視し、庶民革命という巧みな言葉遣いにより、自分の主張の支持者を増やす一方、反対意見を言うものは庶民革命の「妨害者」として排除し、少数意見・反対意見には耳を貸そうとはしません。このような中で、市政運営を正常化し、公務員・公的労働者そして名古屋市民がより報われるためのより良い選択肢は、現市長の続投をさせないことしかありません。
組合としては「当選させてはいけない」候補者は河村市長であることを確認したいと思います。
一方、3年間副市長をしてきた岩城氏は、これまでの現市政の問題点を鋭く指摘しています。岩城氏のウェブサイトでは「河村市長が、自分の方針にあわないものはすべて却下する姿勢であるのに対して、私は現場において職員と協議を重ね、職員が提案する案が妥当であれば認めるという現場主義と対話主義に立っているという点であると思います。」と表現されています。細かな政策は、現時点では明らかになっていませんが、少なくとも、議会や公務員・公的労働者との対立構図を作らず、対話を重視するという姿勢は、現在の市政の混乱を正常化するものとして、大きな評価に値すると考えます。より期待できる候補者は「現場主義と対話主義」を貫きたいとする岩城氏です。
執行委員会としては、3 月 30 日に予定している岩城氏との懇談会の内容を踏まえて態度を決定する予定ですが、組合員のみなさんがこの問題に積極的に関心を持って河村市政ノーの審判を下されるよう強く呼びかけます。
組合員のみなさんにご案内です。
【いわき正光さんとの懇談会】
● 3月30日(木)12:15~13:00
● 名市大川澄キャンパス 本部棟2階第1会議室
● 軽食を準備します。